2026年1月5日(月)、野口晃菜さんをお迎えし、「特異な才能」の特例制度に関する対話会を開催しました。
ご案内はこちらです。

野口さんからのご説明
まず、野口さんから、特才のワーキンググループでの野口さんの役割についてご説明がありました。
野口さんの主な役割は
・教育課程企画特別部会の委員として、部会で示された次期学習指導要領の論点整理と照らし合わせながらの議論への道筋をつけること
・次期学習指導要領の基盤の一翼を担う「多様性の包摂」を実現するべくマイノリティの声を拾いつなぐこと
とのお話でした。
そのうえで、
・こうした議論に本来は当事者の声がもっと入るべき
・いろんな立場・分野の方との意見交換を希望しており、その一つとして「特異な才能」に関係する方の声を聞き、ワーキンググループ等での発言の土台にしたい
とお話しくださいました。
また、次期学習指導要領で教育課程に大きな変化をもたらす「裁量的な時間」についての説明もいただきました。
「みんなが同じ目標で同じ内容を学ぶ」という状況を緩和するための教育課程の柔軟化が議論されており、「裁量的な時間」では、例えば探究の時間が増えたり、その学校独自の科目を設置できたり、また教師の研修をおこなったりなどが可能になるとのことです。
その上で、それでもなお教育的ニーズが満たされない場合に、特異な才能のある児童生徒に、外部と連携した支援を行えるようにする、というのが、今回の「特例制度」の検討です。
参加者からのご意見
参加のみなさまからいただいたご意見を、一部引用させていただきながらまとめてみます。
- いろいろな「得意」や「苦手」が混在するインクルーシブな環境の中で、個性が認められ、必要な手助けがあることが、すべての子の才能伸長に有効ではないか。
- 一条校以外など、学び場を柔軟に円滑に選べるようにしてほしい
- 学校ならではの不合理なルールを無くし、教科学習を、大胆に柔軟にしてほしい
- OEや非同期発達などの特性の理解とサポートが不可欠
- 学びを止められることは生存権に関わることという認識を持ってほしい。
- 困ってから支援があるのではなく、困る子を生み出さない方法を模索してほしい
- 学校だけで完結させず、心理や福祉、法律などの専門家チームも関わることができる制度にしてほしい
- 地方ではより、特才の子の理解がない。相談先も少ない。
- 凸凹の大きさゆえに単純に能力を判断できないという状況もある中、特例制度の対象はどうなるのか。
当協会上田からは、
- すべての子に才能伸長の機会があることが、「特異な才能」のある子を広く助けることになるのではないか
- 子どもの成長を考えるに、「この子にはどのラベルをつけるといいのか」ということに拘泥しているいとまはない
- 本人も親も気づいていない場合は見過ごされ、知らず知らず困ることになる。
- 「だれがかわいそうな人として認定されるか」について議論するのではなく、ユニバーサルな施策として才能教育が実施されてほしい
- インクルーシブな才能伸長教育という理念にすべての子を包むことは、学校全体をポジティブに改善すること、楽しいを増やすことにつながり、本人が気づいていなくても、誰が気づいていなくても、才能や学ぶ意欲に蓋をされることなく、学びが保障されるのではないか
- 学ぶ意味や「学力とは」を問い直す契機となることも、この「特異な才能」の議論の意義であると思う
- 「特異な才能のある子」への支援として、安全な環境づくり、安心して学校に通えることへの要望を多く見かけるが、これは、まさに、すべての子に必要なことだと思う。ただ、なぜか、この「すべての子」に「特異な才能のある子」は無意識に入れられていないことも多く、むしろ我慢を強要される場面が多かったことが問題であったと思う。
といった意見を述べさせていただきました。
野口さんからのまとめ
野口さんは、みなさんからの意見に熱心に耳を傾けてくださり、最後に総括して感想やご意見をお話しくださいました。
- 学習指導要領で変えられるところ、変えられないところがある
- 教育制度そのものは、一度に大きくは変わらず、少しずつ、少しずつ進むことになる
- でも、確実に少しずつは変わってきている
- それぞれの「マイノリティ」は少数でも、マイノリティ同士が手を取り合うことで大きな力になる。
野口さんがおまとめくださったレポートでは、
改めて、特別の教育課程の土台として、通常の学級における柔軟性の確保や、通常の学級のルールや文化を変えていくことが重要であることを再認識しました。また、不登校を経験されている方や2E(特定分野に特異な才能×特別支援対象)の方たくさんいらっしゃることから、不登校施策や特別支援施策との接続やより包括的なシステム構築が必要です。
と書いてくださっています。
野口さんの投稿全文は、FacebookまたはXでご覧いただけます。

対象児童をどう決めていくのかが最も難しい課題だ、というお話もありました。
今後のワーキンググループで話し合われていくとのこと、私たちも、引き続き議論を見守っていきたと思います。
今回ご参加くださったみなさまにとっては、「次期学習指導要領は、もうわが子には間に合わない」という方がほとんどだったかと思います。
それでも、わが子、またはご自分の経験を語り、そして、こういった場に出てくることもできない「だれか」の声を代弁し、この先の子どもたちが楽しく健やかに学べ、そして生きることのできる社会を願って参加・発言くださいました。
野口さんと、参加くださったみなさまに、心から感謝申し上げます。

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